1954年グレーテ・マイヤーとボーエ・モーエンセンのデザインによるBoligens Byggeskabe製キャビネット。

ロイヤル・コペンハーゲンやジョージ・ジェンセンのデザインを手掛けたことでも知られる建築家グレーテ・マイヤー。彼女と共にモーエンセンは家庭にある食器や衣類、レコードなどありとあらゆるものを計測し収納に必要なサイズを導き出した。このような扉付きタイプや棚板仕切り板のみのフルオープンタイプ、下段に扉、中断にドロップ扉タイプ、ワードローブタイプなどをデザインし、家具と建築の密接な関係性を追求していたことが見て取れる。このシリーズは住宅設計の段階で組み込まれることが多く現在において目にすることが少ない要因の一つとされている。
構造のヒントとなったのは日本建築に取り入れられている襖や押入れ、天袋と言われ、日本の様式をデザインに取り入れていたモーエンセンらしさを感じることができる。本体や棚板にはグレーボード、木口フレームにオレゴンパイン、扉と本体下部パネルにチーク材が用いられ無機質な中に木材ならではの温もりを感じさせる。扉の真鍮金具はカギ仕様となっておりそのまま取手として掴むことができる。棚板は全て可動式で収めるものの高さに合わせ調整が可能。脚部は一見台輪のように見えるがアジャスター仕様となっており、設置場所によってガタつきの調整ができる。

木部はサンディング後オイル、WAXにて仕上げていますので、長い年月を経たパイン材、チーク材の魅力を最大限に引き出しております。グレーボードは全体にクリーニングを行いました。グレーボードは経年による塗装剥がれが見られますが全体的にコンディションは良好です。コンディション等ご不安な方は現物をご覧いただくかお気軽にお問い合わせください。

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