1953年ボーエ・モーエンセンのデザインによるSoborg Mobelfabrik製サイドボード「160」。

モーエンセンデザインの魅力の一つに「簡素」というものがある。この「簡素」にはモーエンセンの庶民に向けて家具をデザインしたことが大きな意味を持っている。モーエンセンのデザインした家具の多くは奇抜なものではなくデザインを削ぎ落とした簡素で使い勝手の良いものである。その簡素なデザインは他の家具と合わせやすいだけでなく空間自体との調和も取りやすく当時多くの人に受け入れられている。そして半世紀経った現代でも魅力を増し続け我々の暮らしを豊かにしている。
このサイドボードにもそんなモーエンセンの理念を感じ取ることができる。引き戸にはそれぞれ2つの手掛けが設けられ奥の引き戸を開けきっても手前の引き戸で閉めることができる。引き出しは浅いものが3杯と深いものが1杯。食器やグラスなど奥にあるものが取り出しやすく機能的だ。引き出しフロント部分の手掛けも印象的。棚板は可動式で9段階の高さ調節が可能。箱となる本体上部は直線的なのに対し、脚部は幕板を含め丸みを帯び、洗練され過ぎず甘過ぎない絶妙なバランスであることが伺える。

木部はサンディング後オイル、WAXにて仕上げていますので、長い年月を経たチーク材の魅力を最大限に引き出しております。引き戸、引き出しの開閉調整済み。

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